『反省させると犯罪者になります』(著者:岡本茂樹)(新潮新書)の書評です。
目次
『反省させると犯罪者になります』の要約・あらすじ
『反省させると犯罪者になります』とは、立命館大学産業社会学部教授の岡本茂樹先生が書かれた本です。
『反省させると犯罪者になります』は、犯罪者の心理について書かれています。
信じられない話かもしれませんが、すぐに反省の弁を唱える犯罪者ほど、一切反省していません。
こういう輩は、いかにその場をうまく切り抜けるか、いかに上手く裁判の量刑を軽くするかしか考えていません。
自分の欲を満たすために犯罪を犯し、人の人生を狂わせておいておきながら、内心は1ミリも反省なんてしていないのです。
『反省させると犯罪者になります』によると、加害者に反省を強要すると、余計に反省しなくなるそうです。
加害者に罪の意識を自覚させるために重要なのは、「加害者の視点で考えさせる」方が効果的なのだそうです。
犯罪者を更生させるのに重要なのは、罰を与えて「反省させる」のではなく、自覚させることなのです。
私がかつて勤めていた東証一部上場のIT企業も、パワハラ・イジメ・違法残業を強要する上司や先輩が大量にいました。
それを人事部は黙認しており、パワハラを訴えた私は人事部に圧力をかけられて、会社を追い出されました。
私はこの会社生活を振り返り、この会社は犯罪者の集まりだったと思っています。
この会社にいる人間どもらは、『反省させると犯罪者になります』で紹介されている犯罪者そのものでした。
可能なら、『反省させると犯罪者になります』を100冊くらい買って、この会社に送りつけてやりたいですね。
金と時間と労力の無駄なので、やりませんけど。
『反省させると犯罪者になります』は、弁護士の間でも大変評判の良い本です。
本書は多くの弁護士に読まれており、現場で実践されている方が多数いらっしゃいます。
『反省させると犯罪者になります』は、Amazon評価数・レビュー数が100近くある、注目されている本です。
口コミサイトである読書メーターなどでも、『反省させると犯罪者になります』のレビューが多数投稿されています。
『反省させると犯罪者になります』は良書ですので、興味があれば購入してみましょう。
次に、私が『反省させると犯罪者になります』で刺さった内容を3つほど紹介します。
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『反省させると犯罪者になります』で刺さった3つの内容
私が『反省させると犯罪者になります』を読んで、とくに刺さった内容は、以下の3つです。
<『反省させると犯罪者になります』で刺さった3つの内容>
・すぐに「反省の言葉」を述べる加害者は悪質
・被告は裁判でウソをつく
・自分が傷ついているから平気で他人を傷つける
それぞれについて、説明していきます。
すぐに「反省の言葉」を述べる加害者は悪質
もちろん誘いを断れず、大麻を使ってしまった「あなた」が悪いのです。
だから反省しないといけないのですが、最初に頭に浮かんでくる思いや感情は、たいていは「後悔」なのです。
(中略)
すぐに「反省の言葉」を述べる加害者は悪質
(中略)
自分が起こした問題行動が明るみに出たときに最初に思うことは、反省ではありません。
事件の発覚直後に反省すること自体が、人間の心理として不自然なのです。
もし、容疑者が反省の言葉を述べたとしたら、疑わないといけません。
多くの場合、自分の罪を軽くしたいという意識が働いているか、ただ上辺だけの表面的な「反省の言葉」を述べているにすぎません。
そのように考えると、犯罪を起こした直後に「反省の言葉」を繰り返す犯人(容疑者)は、反省の言葉を述べない犯人よりも、「より悪質」という見方ができます。
『反省させると犯罪者になります』 P25〜26より
悪いことをした人間は、罪が発覚した直後に感じるのは「後悔」です。
そして、すぐに「反省の言葉」を述べる加害者は悪質です。
自分の罪を軽くしたい一心で、すぐに「反省の言葉」を述べているからです。
だから、犯罪を犯した直後に「反省の言葉」を繰り返す犯罪者は、より悪質だと言えます。
これからメディアで犯罪者が放送されたとき、犯行直後に反省の弁を述べていたら、実は全く反省していないと思うようにしなくてはなりません。
自分の欲を満たすために罪を犯したくせに、罪を軽くしたい一心で「反省の言葉」を繰り返す。
もはやこの人間(加害者)は、人ではありません。
悪魔です。
こういう人間に罪の重さを自覚させるためにも、「加害者の視点で考えさせる」ことが重要なのでしょう。
被告は裁判でウソをつく
被告は裁判でウソをつく
(中略)
美達が言うように、私自身も多くの受刑者が「裁判のときには自分の都合のいいように言いました」と話すのを聞いています。
もちろん悪いことをしたにもかかわらず、裁判でウソをつくのは許されることではありません。
そんなことは百も承知しています。
しかし、ここで私が言いたいことは、裁判という状況下に置かれたならば、たいていの人間が「許されたい」「刑が軽くなってほしい」と願うのは普通のことであり、反省を求められれば謝罪の弁を述べるのは当たり前であるということです。
悪いことをしたにもかかわらず、重い罰は受けたくないというのが被告人の「本音」です。
むしろ、悪いことをした人間だからこそ、「反省する態度がうまい」とも言えるかもしれません。
被害者にとってはたまらないことですが、裁判で被告人に反省を求めると、こうした結果になります。
『反省させると犯罪者になります』 P32〜33より
犯罪者は裁判所でウソをつくそうです。
自分に都合の良いように、刑が軽くなるように、裁判所で演技するみたいです。
よくマスコミで、被告が裁判所での陳述が放送されますが、あれのほとんどが演技でありウソであると思った方がよいでしょう。
私が辞めた会社にいた犯罪者どもらもそうですが、彼らは1ミリも反省なんてしておらず、いかにその場をうまく凌げるのかしか考えていません。
本当なら、刑務所から二度と出られないようにするべきでしょうね。
どうせ出所しても罪を繰り返すのでしょうから。
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自分が傷ついているから平気で他人を傷つける
人は、自分がされたことを、人に返すものです。
優しくされれば、人に優しくすることができます。
冷たくされると、人に冷たくしたくなります。
そう考えると、人を傷つける人は、自分自身が傷ついていると理解できます。
自分自身が傷ついているから、自分自身を大切にできないのです。
自分自身を大切にできないと、当然のことながら、他者も大切にできません。
自分自身を大切にできず、自分の「心の痛み」に鈍感になっているから、他者の「心の痛み」にも気づけなくなります。
和子が犯罪行為を重ね覚醒剤を使用したことにも罪悪感を抱かなくなっていた背景には、和子の心が長い時間かかって傷ついていった過程があるのです。
『反省させると犯罪者になります』 P52より
人は、自分が傷ついているから他人を傷つけるそうです。
私は、職場で1年近く仕事を与えられず放置され、最低評価の人事評価を一方的に付けられるパワハラを受けました。
このパワハラを率先して行った課長ですが、この人間も傷ついている人だったと言えます。
この課長は支社長になれると信じて、ヤクザみたいな支社長に従い忍従の日々を過ごしてきました。
しかし、支社長が本社に栄転したあと、本社から別の人間が支社長として送り込まれてきました。
新しい支社長は、この課長よりも一回りも年下の人間でした。
この課長は、ヤクザ支社長に裏切られたのです。
ヤクザ支社長から「お前は俺の兄弟だ」と言われ、何年間も理不尽な仕打ちに耐え忍んできたのにも関わらず。
この課長は、このように大変傷ついている人だったと思います。
だから、私に仕事を1年近く与えないパワハラを平気でやることができたのです。
私はこの経験を通じて、傷ついている人には、なるべく近寄らない方がよいことを学びました。
傷ついている人間は、平気で人を傷つけます。
自分が大怪我をしないためにも、傷ついている人には近寄らない方がよいです。
同情心なんて不要です。
傷ついている人間は、勝手に傷つかせておきましょう。
こういう人間と関わって自分の人生を壊されないよう、気をつけたいものです。
以上、『反省させると犯罪者になります』(著者:岡本茂樹)(新潮新書)の書評でした。
『反省させると犯罪者になります』は売れている本なので、楽天などの通販サイトでも、在庫が多数あります。
しかし、『反省させると犯罪者になります』はアマゾンにて、中古本が安く買えます。
『反省させると犯罪者になります』には電子書籍であるKindle版もありますので、Amazonがオススメです。
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