『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』(今野晴貴 著)(文春新書)の感想です。

 

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』のあらすじ・要約

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』とは、今野晴貴氏が、当時、一橋大学大学院社会学研究科博士課程在籍されていたときに書かれた本です。

 

本のタイトルのとおり、『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』は、ブラック企業がいかに害悪であるかについて書かれています。

 

ここで、私のブラック企業での経験を一部紹介します。

 

私は、北大大学院を卒業後、東証一部上場のIT企業で7年間働きました。

この会社、見事なまでのブラック企業でした。

 

長時間残業を強要し、残業代を支払わず、逆らう社員を精神的に追いつめてウツ病にさせ、人事部が圧力をかけて自己都合退職に持って行く。

 

こうやって辛酸を嘗めた社員が、この会社には山ほどいました。

 

私の場合、入社1年目から先輩社員からの執拗なパワハラを受けました。

 

北海道工業大学(現:北海道科学大学)出身の先輩からOJTを受けた際、この先輩の指導不足でプログラム開発が進みませんでした。

 

この先輩は、プログラムを全く知らず、そもそも指導する能力がなかったのです。

 

だから、私が一から勉強してやりました。

 

当然、納期には間に合いません。

 

納期が遅れていることを、北海道教育大学出身の現場主任が怒り、私とこの先輩を毎日個室に連れ込んで、2人で私を責めました。

 

この現場主任はこの先輩を可愛がっていたので、私が100%悪いと責めました。

 

この先輩も、自分が無知であることを棚に上げて、私を毎日のように個室に連れ込んで、システム開発ができないことを責め立てました。

 

この現場主任からは、

お前の教育のために会社は100万円出しているんだとか、

開発が進まないのはお前が悪い、残業代は出さないとか、

まあ色々言われましたね。

 

私は入社1年目で立場が弱かったのと、当時は会社で活躍できない人間は人間でないと思い込んでいたので、逆らえずにいました。

 

私がパワハラを受けていることを、周囲の人間は知っていたはずです。

しかしこの会社は、見て見ぬ振りをする社風でしたので、誰も救いの手を差し伸べてくれませんでした。

課長ですら、知らん顔をしていました。

 

このOJTを受けていたとき、毎日終電までプログラム開発をやらされました。

トータルで、400時間ほど無償で残業をしたのではないでしょうか。

 

まあこんな感じで、この東証一部上場のIT企業は、見事なまでのブラック企業でした。

 

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』には、y社という架空の会社が登場します。

 

y社は、ITの中堅企業です。

やはり、ITはブラック企業が多いのでしょうかね。

 

また、『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』では、X社という、衣料品販売大手会社が登場します。

 

X社は超大手で、就活生のあいだで非常に人気のある会社です。

 

X社には、有名大学出身の人間が多数入社していきます。

私が辞めた会社も、腐っても東証一部上場だったので、早稲田や旧帝大卒の人間が多数入社していました。

 

しかし、X社は職場環境が劣悪で、1年目の新卒がウツ病で次々と辞めていくそうです。

 

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』では、「X社」とぼかして言っていますが、これはユニクロだと思われます。

 

私は学部が信州大学工学部でした。

1年生のときに教養科目の授業で、繊維学部の授業を受けたことがあります。

 

このとき繊維学部の教授が、「ユニクロなんて、あんな会社にウチの生徒は絶対にやれない」と言っていたのをよく覚えています。

 

ユニクロは業界内でも評判が悪いのでしょうね。

 

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』は、Amazon評価数・レビュー数が130以上もある、注目されている本です。

 

それゆえ、『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』の読書感想文を書いたブログがネットに多数あります。

 

次に、私が『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』を読んで、とくに刺さった内容を紹介します。

 

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『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』で刺さった内容

私が『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』を読んで、とくに刺さった内容を3つ紹介します。

<『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』で刺さった3つの内容>

・ブラック企業は適当な理由をつけて無償で長時間労働をさせる

・ソフトな退職強要—仕事を与えず追いつめて辞めさせる

・ブラック企業に入社してしまったときの戦略的対処法

 

それぞれについて、説明していきます。

ブラック企業は適当な理由をつけて無償で長時間労働をさせる

残業代を払わない方法を挙げていくとキリがないが、いずれの場合においても目的は労働者を安く長く働かせることにあるという点が重要だ。

(中略)

具体的な手口をみていこう。

もっとも単純な手口は、適当な理由で残業代を支払わないというものだ。

「お前の仕事が遅いから」「お前の業績が悪いから」「会社の経営状況が悪いから」「事前に残業の承認を求めなかったから」など、様々な理由をつけて支払わない。

理屈としては、万引きで捕まった人が「お腹がすいていたから」「スリルを求めたかったから」と言っているのと同じレベルだ。

仮に理由として提示したことが本当だったとしても、違法なことをしたという事実に変わりはない。

(中略)

日本の大企業の大半でこうした長時間残業が導入され、さらに国家も事実上規制をかけていないという状況は、世界的にみれば異様な事態である。

だが、日本社会でこうしたことが認められてきた背景には、長時間残業と引き換えに、「終身雇用」と「年功賃金」という手厚い待遇が用意されていたからだ。

ところが、ブラック企業にそんな手厚い待遇が用意されているはずがない。

入社後も選別は続き、いつパワハラで自己都合退職に追い込まれるかもわからない。

ブラック企業はこうした日本型雇用に付随した「長時間労働をさせる権利」だけを悪用しているのだ。

 

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』 P93〜96より

 

ブラック企業は適当な理由をつけて、社員を無給で長時間労働をさせる。

 

前述のとおり、私が7年間働いた東証一部上場のIT企業もこんな感じでした。

 

先ほど紹介したOJTでのはなしをまとめます。

 

・OJTなんだから、残業代は出せない

・お前の教育に100万円かかっているのだから、残業代を出すなんてもってのほか

・進捗が悪いのはお前のせい。お前は会社に損害を与える悪いやつだ

・OJTなのに先輩から何一つ教えてもらえず、400時間サービス残業をすることになった

・周りの人間も上司も見て見ぬふり

・パワハラをする人間は悪くなく、パワハラをされる人間が悪いという雰囲気

(学校でゴミ教師が「イジメを受ける側にも原因がある」と言うのと同じ)

・弱った人間をさらに追いつめる社風

 

まあこんな感じのブラック企業でした。

 

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』では、この行為を「万引き犯と同レベルの行為」だと指摘しています。

 

私はこのブラック企業で、入社1年目から執拗なパワハラを受けましたが、それでも辞めませんでした。

 

会社は自分を守ってくれる。

年功序列と終身雇用が保証されていて、我慢すればいつか幸せになれると思い込んでいたからです。

 

しかしこのブラック企業は、一生を平社員で終える人間が山のようにいました。

 

年次昇級300円しかなく、7年間働いて年収が300万円ちょっとしかありませんでした。

 

私はこのブラック企業で、最後は仕事を1年近く与えられず放置されるパワハラを受けました。

それを人事部に訴えたら逆に圧力をかけられ、会社を追い出されました。

 

このブラック企業にいても、年功序列と終身雇用は保証されていないということです。

 

私はこのブラック企業で働いて、会社とは「悪魔の巣窟」「暴力を受ける場所」であることを学びました。

ソフトな退職強要—仕事を与えず追いつめて辞めさせる

ソフトな退職強要では、あからさまなハラスメント行為は行われず、ただひたすら会社に「居づらくなる」ような方法をとる。

例えば、挨拶に返事をしないというのがその典型だ。

そのほかにも、例えば、「どうしたいの?」と定期的に言われ続けるという相談もあった。

(中略)

また、「能力が低いから、他の道を考えた方があなたのためだ」「この仕事に向いていないと思う。あなたのためにも他に合った仕事を見つけたほうがいいのでは」「仕事ができないなら、違う仕事も紹介できるけど」、さらには「わたしだったら採らない」と言われるケースも見られた。

さらに、仕事を与えられない、自分で仕事を見つけてきても「一切評価しない」と言われたとの相談もあった。

(中略)

上記のようなケースにおいて事態の改善を図ろうとした場合、そもそもハラスメントとしての証拠の保存が困難であり、また仮に証明できたとしても違法であるとの判断を得るのは難しい。

 

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』 P98〜99より

 

ソフトな退職強要について、紹介しました。

 

前述のとおり、私はブラック企業で、仕事を1年近く与えられず放置されるパワハラを受けました。

それを人事部に訴えたら逆に圧力をかけられ、会社を辞めることになりました。

 

私が悪かったのは、このようなソフトな退職強要を受けたとき、我慢してしまったことです。

 

さっさと辞めればよかったものを、

「札幌でこんな良い会社は他にない」

「北大まで出て入った会社を辞めるのはもったいない」

「我慢していればいつかきっと救われる日がやってくる」

とか、意味不明な理由をつけて会社にしがみついていました。

 

まあ結局、耐えられなくなって人事部に訴えたのですが、結果はご覧の通りです。

 

会社には自浄作用はないので、仕事を与えられないなど、ソフトな退職強要を受けたらさっさと辞めましょう。

 

現在は売り手市場なので、転職先ならいくらでも見つかるはずです。

 

私のように会社勤めはもうウンザリなら、ブログでも立ち上げて毎日記事を書きましょう。

ブラック企業に入社してしまったときの戦略的対処法

いずれにせよ、ブラック企業に入社してしまってからは、鬱病になる前に、辞めるか争うかを選択するしかない。

そこには「我慢していれば報われる」などというウェットな感情の入り込む余地はない。

そしてもしも、ただ我慢しろというのだけならば、それは思考停止だというほかない。

必要なのは、冷徹なまでの「戦略的思考」なのである。

(中略)

戦略的思考の第一は、「自分が悪いと思わない」ことに尽きる。

「自分が悪い」と思ってしまっていると、合理的に物事を思考することができない。

第3章や第4章で見てきたように、そのような状態に若者をはめこむことこそが、相手の戦略なのである。

だから、そうした戦略にはまってしまってはいけない。

「自分が悪い」と思わされそうになったら、「これは相手の戦略だ」と冷静に思考し、絶対に「自分が悪い」と思い込まないようにすることである。

これだけでだいぶ鬱病のリスクは減少する。

第二に、「会社のいうことは疑ってかかれ」。

繰り返しになるが、会社の側は善悪にかかわりなく、戦略的にあなたに向かってくる。

それは「良い」とか「悪い」とかではなく、利益を至上のものとする企業活動であれば当然のことである。

その中で、ブラック企業は若者を食いつぶす戦略を使って、向かってくるのだ。

 

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』 P126〜127より

 

ブラック企業への対処法を、『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』を引用して紹介しました。

 

もっとも重要なのは、「自分が悪いと思わない」ことです。

 

私が働いていた、東証一部上場のIT企業も、自分が悪いと思わせるように持って行く会社でした。

 

・会社はお前の教育のために100万円かけている

・なのにお前は何もできないクズだ

・パワハラを受ける人間が悪い、パワハラを受けるには受けるなりの理由がある

・お前は主事としての働きをしていない。先輩を見ろ

・お前は何一つ戦力になっていない

・戦力になっていないのに残業申請をするのはおかしい

 

こんな感じで、あなたが悪い、あなたは無能だ、あなたには価値がないと思わせるのが上手い会社でした。

 

しかし、あなたは何一つ悪くないのです。

悪いのは、あなたを精神的に追いつめる会社です。

 

自分が悪いと自分を追いつめるのは、絶対に止めましょう。

ウツ病まっしぐらです。

 

著書『死ぬくらいなら会社辞めればができない理由』に書かれているとおり、ウツ病になったら最悪10年以上も社会復帰できない可能性があります。

 

まだ精神がマトモであるうちに、ブラック企業から抜け出してください。

ウツ病になったら取り返しのつかないことになってしまいますから。

 

以上、『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』(今野晴貴 著)(文春新書)の感想でした。

 

『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』は売れている本なので、楽天などの通販サイトでも、在庫が多数あります。

 

しかし、『ブラック企業—日本を食いつぶす妖怪』はAmazonにて、中古本が安く買えます。

 

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