『V字回復の経営―2年で会社を変えられますか』(作者:三枝匡)(日本経済新聞社)の書評です。

 

『V字回復の経営』の目次

まず、『V字回復の経営』の内容をざっくり知って頂くために、目次を紹介します。

<『V字回復の経営』の目次>

プロローグ 不振事業をいかに蘇らせるか

第1章 見せかけの再建
再び業績悪化/不発だった改革/若手ミドルのぼやき/日陰にいた切り札
[三枝匡の経営ノート1] 自然死的衰退への緩慢なプロセス

第2章 組織のなかで何が起きているか
出席者の多い会議/管理職たちのすくみ合い/競合他社の話はどこへ/真の赤字要因を追わず/多すぎるプロジェクト/戦略不在が招く不信感/被害者意識の営業マン/はびこる組織官僚/葬り去られた変革型人材/組織全体を貫くストーリーの欠如
[三枝匡の経営ノート2] 改革の推進者と抵抗者のパターン

第3章 改革の糸口となるコンセプトを探す
埋もれていた人材/なんでもあり/強烈な反省論/五〇〇枚のカード/コンセプトの必要性/深夜の孤独/〔改革のコンセプト1〕事業の原点/なぜ米国企業は蘇ったか/一気通貫の組織効果/一網打尽の解決/肥大化した機能別組織の欠陥/シナリオを描く/〔改革のコンセプト2〕戦略の連鎖/各部署固有の問題/〔改革のコンセプト3〕事業変革の原動力/危険な吊り橋
[三枝匡の経営ノート3] 「経営の創造性」に負けた日本

第4章 組織全体を貫くストーリーをどう組み立てるか
組織のスピード感応性/漂う孤独感/本当につぶれるなんて思っていない/改革者をどう守るか/トップの関与/改革を本物と思わせる事件/修羅場の教育効果/知られざる赤字/杜撰な現場経営/撤退か改革か/分社化のシナリオ/シナジーの幻想を排す/ヒエラルキーを崩す/事業の「絞りと集中」/営業活動の「絞りと集中」/攻めの人員削減/トップの共感
[三枝匡の経営ノート4] 改革シナリオの説得性

第5章 熱き心で皆を巻き込む
淡々たる退場者/過激派の出現か/拗ねと甘え/すべて他人事だった/気骨の人事/壟断/覚悟の連鎖/旧組織の崩壊/史上最大の落ち込み
[三枝匡の経営ノート5] 改革・八つのステップ

第6章 愚直かつ執拗に実行する
覚悟のスタート/組織のスピード化/顧客への接近/驚きの変化/新しい「販売ストーリー」/具体的仕掛けの埋め込み/単月黒字化の大騒ぎ/内部の競争/黒字達成!/次の一手/魂の伝授

エピローグ 事業変革の成功要因
あなたの会社でもこうした症状が見られませんか?
改革を成功へ導くための要諦50

 

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『V字回復の経営』の概要・要約・要点・あらすじ・ポイント

『V字回復の経営』とは、株式会社ミスミグループ代表で、一橋大学大学院客員教授でもある、三枝匡氏が書かれた本です。

 

『V字回復の経営』では、架空の企業を題材にして、経営再建のノウハウが書かれています。

 

『V字回復の経営』で出てくるモデル企業(太陽産業)は、コマツ産機という会社です。

 

太陽産業社長は、業績不振が続くアスター事業部の再建に黒岩莞太を送り込み、経営再建に着手します。

 

『V字回復の経営』である黒岩莞太は、三枝匡氏本人です。

 

『V字回復の経営』では、経営再建のノウハウとして、まず「不振事業の症状50」の事例を挙げた上で、

経営再建に導く「改革を成功へ導くための要諦50」が紹介されています。

 

『V字回復の経営』を読むことで、会社経営の思考のフレームワークを学ぶことができます。

『V字回復の経営』で刺さった3つの名言

私が『V字回復の経営』を読んで、特に刺さった名言は、以下の3つです。

<『V字回復の経営』で刺さった3つの名言>

・放逐した者に冷たくなれる日本の村社会の心理

・「低成長組織」では人事異動がほとんどない

・腐った会社の腐った社員の心情

 

それぞれについて、説明していきます。

 

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放逐した者に冷たくなれる日本の村社会の心理

この五年間で七二〇〇名いた社員の四分の一を削減し、今では五三〇〇名ほどになっている。

辞めていった連中はどうしているのだろうと、香川はふと考えることがあった。

しかしもう関係ないのだからと、社内の誰もが意外なほどあっさりしていた。

放逐した者に冷たくなれる日本の村社会の心理とはこんなものだったのかと密かに思ったが、その感想を社長が口にするわけにはいかなった。

 

『V字回復の経営―2年で会社を変えられますか』 P22より

 

「放逐した者に冷たくなれる日本の村社会の心理」

 

まさに、私が辞めた会社の職場の雰囲気そのものです。

 

私が辞めたパワハラ会社は、辞めた人間に対して冷たいです。

辞めた人間の悪口を言う人間で溢れていました。

 

悪口を言うのは、30代半ばに差し掛かったベテラン社員がほとんどでした。

長く会社という村社会に属すると、根っから染まってしまうのでしょう。

 

こいつらは、皆に聞こえるように辞めた人間の悪口を言っており、嫌でも聞こえてきました。

その無意味で非生産的な発言を聞くだけで、私は大きなストレスを感じていました。

 

私は、仕事を1年近く与えられず放置され、最低評価の人事評価を一方的に付けられました。

 

その後、ボーナスが支給されたあとに、会社に見切りを付けて辞めた先輩社員がいました。

 

その先輩社員が辞めた後、社内ではその先輩への悪口のオンパレードでした。

 

その悪口を聞いていたとき、「この部署は終わっているな」と確信しました。

 

そしてこの部署から脱出するために、私は人事部にパワハラを受けたことを訴えました。

 

結果は、人事部から圧力をかけられ、会社を追い出されました。

 

私が辞めた会社は、『V字回復の経営』に登場するアスター事業部など比較にならないくらい、腐っていたと思いました。

「低成長組織」では人事異動がほとんどない

日本でも転職が珍しくない時代が来ているのに、成長が止まって転職者を放出するだけの伝統企業ばかりが、図らずも純血主義を守っている。

症状7:日本の伝統的企業には、「そと者」を心理的に区別する態度が世間的に古臭い習性になっていることにいまだに気づいていない社員が多い。

成功している「高成長組織」では組織が頻繁に変更され、社員の移動が日常茶飯事で、いつも社内はガタガタしている。

あまり長い期間、異動のない人はかえっておかしいと見なされない。

ところが、事業内容がいつまでたっても変わらない「低成長組織」では、人事異動は一大イベントだ。

誰が昔、どこの部署にいたか、他人の異動歴まで皆が実によく知っている。

正論でものを言う人ほど、結局は生き残りにくいことが太陽産業では定説になっていた。

 

『V字回復の経営―2年で会社を変えられますか』 P29より

 

「低成長組織」では、人事異動がほとんどない。

 

私が辞めた会社の札幌支社も、人事異動がほとんどありませんでした。

 

3年に1度、支社長入れ替わるくらいで、後は何十年も同じ部署にのさばっている、その土地の主みたいな村人ばかりでした。

 

私がいた札幌支社は、人事異動がほとんどないせいか、社内の空気は非常に澱んでいました。

 

お局が主導権を握っており、他人のプライバシーに踏み込む悪口を言ったり、給湯室を自分の陣地にして、お山の大将を気取っていました。

 

このお局は、小樽商科大学を卒業して2002年の就職氷河期に入社した、エリートです。

しかし、若手社員に嫌がらせをする問題児で、若手社員から避けられていました。

 

私は運悪く、入社1年目から、このお局の直属の部下になってしまいました。

 

私は要領が悪く、飲み込みの遅い人間です。

当時は、集団生活に馴染めない人間は人間じゃないと思いこんでおり、このお局に嫌われるのを大変恐れていました。

 

このお局は、それをいいことに、私に頻繁に嫌がらせをしてきました。

 

仕事を教えない、仕事の揚げ足を取る、上司に私が仕事が出来ないと泣きついて私の評価を下げるなど、至れり尽くせりのパワハラを受けましたね。

 

この札幌支社は、弱った人間をさらに追い詰める雰囲気がありました。

 

お局から嫌がらせを受けて精神的に弱っていた私は、周囲の人間からも執拗な攻撃を受けました。

 

それでも私は我慢し続けたのですが、入社3年目の時に耐えられなくなり、このお局と戦うようになりました。

 

そうしたら今度は、仕事を1年近く与えられず放置され、最低評価の人事評価を一方的に付けられるパワハラを受けました。

 

 

人事異動がほとんどない部署に属すると、こうした異常なことが起こることもあります。

 

『V字回復の経営』に書かれている内容は、本物だと感じました。

腐った会社の腐った社員の心情

会社の外では一流上場企業の社員の顔をしているが、社内に戻れば「この会社はどうにもならない」と自嘲気味に傷を舐め合う。

たった一回しかない人生を、そんな張り合いのない毎日で埋め続けていくつもりなのだろうか。

会社全体が、やっても、やらなくても同じ世界になっている。

それなりに深刻な事態だと思いつつも、誰もが「自分のせいではない」「自分で直せる問題ではない」と考えているのだった。

 

『V字回復の経営―2年で会社を変えられますか』 P32〜33より

 

腐った会社の腐った社員の心情が、上の引用文に書かれています。

 

私が辞めた会社も、まさにこんな感じでした。

 

やってもやらなくても、人事評価は変わらない。

だったら、仕事を真面目にやるなんてバカくさいじゃん。

 

こんな腐った思考が、社内に充満していました。

 

2chでも、私が辞めた会社は「やってもやらなくても変わらない」と、現役社員が書き込みをしています。

 

東京本社になると、「やってもやらなくても変わらない」社風が、もっと露骨ならしいです。

 

日中は居眠りをして、残業時間になると本領を発揮する生活残業社員が山のようにいるそうです。

 

そんなおバカなことをして寄生していても、クビにはならないそうです。

会社からのどんな理不尽な仕打ちに対しても、忍従して、思考停止状態になれればのはなしですが。

 

私は上司に逆らって、人事部に訴えたことがマズくて、会社を追い出されました。

 

会社を訴えたことは後悔していません。

 

思考停止の暴力人形のなかで、人間として当たり前のことができた自分を褒めたいくらいです。

 

私は7年間サラリーマンをやって、会社は悪魔の巣窟だと感じました。

 

他の会社はどうなのかは分かりませんが、もう同じ目には遭いたくないので、私はサラリーマンは二度とやりたくないです。

 

以上、『V字回復の経営―2年で会社を変えられますか』(作者:三枝匡)(日本経済新聞社)の書評でした。

 

『V字回復の経営』は、Amazon評価数・レビュー数が200近くある、注目されている本です。

 

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